去りゆく神へ

切り絵作品「去りゆく神へ」
切り絵作品「去りゆく神へ」

M10号

濃黒切り絵用紙「極」

出雲民芸紙

金箔 新岩絵の具

アクリルラッカー

2024年制作

150,000(税込165,000)円



「去り行く神へ」の制作雑記。

裏の畑に、刈っても刈っても生えてくる草。草の中は虫だらけ。種はどこから来るんだろう。誰が育てているんだろう。

きっと「その力」が神なんだろう。

名前をつけられ、記紀の中に編纂され、ゲームや小説のキャラになるよりずっと昔、

まだ文字もない頃、農業もない頃からその神は日本にいた。ひたすら生きものを生み育てる「その力」

肥料がなくても植物は育つ、その土の力。

薬がなくても風邪は治る、その体の力。

縄文式土器の時代に文字はないけど、紋様や動物の形で「その力」を表現し、伝えようとしているのだろうと思う。私達はいつからそれを忘れてしまったんだろう。

鹿曼荼羅は背中に鏡を載せているけど、今の私達は神の背中にメガソーラーを載せている。

ものすごいスピードで日本が壊れていく瞬間に、今私達は立ち会っているのだと思う。